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ドメインの悪用について
サイバースクワッティングとは
企業名や製品名などを含んだドメイン名を第三者が取得して、商標を持つ企業に高額で売りつけようとすることや、アクセスユーザをフィッシングサイトなどに誤誘導することを「サイバースクワッティング」と呼びます。「スクワッティング」とは「不法占拠」という意味です。
アメリカでは1999年にサイバースクワッティングを禁止する法律が制定されています。日本国内でも、2001年の不正競争防止法改正によって、ドメイン名の不正な取得が禁止されました。
サイバースクワッティングの事例
日本国内で起こったサイバースクワッティングとして「goo.co.jp」というドメイン名を巡る事例があります。
「goo.ne.jp」というドメインで検索ポータルサイト「goo」を運営するNTT-Xと、「goo.co.jp」を取得した会社との間でドメイン名をめぐる紛争が起こり、高等裁判所までもつれるという事件が発生しました。
「goo.co.jp」はアダルトサイトへの転送用に使われていたことから、誤ってアクセスしたユーザへの迷惑と「goo」のブランドイメージの低下という二つの理由で、ドメイン名の登録移転の申し立てがされました。ドメイン名紛争を処理する「工業所有権仲裁センター」はNTT-Xの申し立て通り強制移転命令を出しましたが、この命令を不服とした「goo.co.jp」取得者がNTT-Xを提訴し、東京地方裁判所・東京高等裁判所での争いにまで発展しました。
最終的にはNTT-X側が勝訴し、「ドメイン名を先取しても、不正な目的での利用は認められない」という判断が再確認されるという結末を迎えました。
紛らわしいドメイン名
サイバースクワッティングの類型として、「タイポスクワッティング」と呼ばれる手法があります。著名サイトのドメイン名の「タイプミス」のようなドメインを取得し、偶然打ち間違えたユーザを誤誘導するものです。
本物そっくりのフィッシングサイトを用意されると、ユーザは打ち間違いに気づかずにフィッシングサイトを利用してしまう恐れもあります。カメルーンのccTLD(Top Level Domain)である「.cm」は、「.com」のタイプミスを狙って取得されることがあり、危険なTLDであると言われます。
検索エンジンの浸透とともに、「アドレスバーに直接URLを入力してアクセスする」という場面は減っています。しかし、上記のような悪用手法を知っておくことは、ドメインを取得する側はもちろん、アクセスユーザ側であるわたしたちも知っておくべきだと思います。
まとめ
- サイバースクワッティングとは、企業名などを含んだドメイン名を悪用目的で取得すること。
- タイポスクワッティングとは、「タイプミス」のドメイン名を悪用目的で取得すること。