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  • IPアドレス
  • 基礎知識

IPv4とIPv6の違いについて

目次

1.はじめに

IP(Internet Protocol)とは、データをネットワーク上で送受信するためのルールで、IPで利用するインターネット上の識別子が IPアドレスです。
IPv4アドレスとIPv6アドレスは、インターネットで使用される2つの異なるバージョンのIPアドレスになります。
今回はそのIPv4とIPv6の違いについて詳しく解説していきます。

2.IPv4とIPv6の歴史

IPv4は、1980年代前半に開発されました。大学や研究機関での利用が拡大し、その後商業利用が始まります。
1990年代になると、多くの企業や家庭でインターネットが利用されるようになり、IPv4のの需要が高まります。当初は約43億個のIPv4アドレスだけで十分足りてましたが、急速なインターネットの普及によってIPアドレスの枯渇が問題になりました。

IPアドレスの枯渇問題を解決する為に、次世代規格としてIPv6が誕生し、近年ではPCだけでなくスマホやゲーム機など、あらゆるモノをインターネットに接続(IoT)ができる時代になました。
移行にはコストや技術が必要な為、現在でもIPv4とIPv6の共存が続いており、完全な移行には時間がかかると考えられます。

3. IPアドレスの数

IPv4とIPv6の大きな違いは、アドレスの数です。
多くのデバイスがインターネットに接続され、そのデバイス(端末)にはIPアドレスが割り振られています。
基本的にアドレスはインターネット上で重複することができないため、インターネット上で通信を行う端末の数以上のアドレスが必要です。IPv4とIPv6のアドレスの数の違いについて見てみましょう。

IPv4
IPv4アドレスは、32bit (32桁の0と1)で表現し、約43億個のアドレスが利用可能ですが、インターネットの普及により枯渇状態にあります。

IPv6
IPv6アドレスは、128bit (128桁の0と1)で表現し、約340澗(かん)個というほぼ無限のアドレスを提供します。
これによりIPv6アドレスはIPv4アドレスの枯渇問題を解決し、より多くの端末をサポートします。アドレス不足の問題を解決するための重要な技術です。

表記方法
IPv4とIPv6はアドレスの表記方法が違います。IPv4アドレスが10進数で表現するのに対し、IPv6アドレスでは16進数で表現します。

IPv4
・ビット数:32ビット
・形式:8ビットごとに「.(ピリオド)」で区切り、10進数で表記
・表記例:192.0.2.0、198.51.100.0、203.0.113.0

IPv6
・ビット数:128ビット
・形式:16ビットごとに「:(コロン)」で区切り、16進数で表記
・省略:連続するゼロは::で省略可能
・表記例:2001:db8::

4. 接続方法

IPv4とIPv6の接続方法にはPPPoEとIPoEがあり、IPv4はPPPoEのみ対応、IPv6についてはPPPoEとIPoEの両方を対応できます。
また、IPv6とIPv4の両方の接続を可能にできるIPv4 over IPv6があります。

PPPoE
PPPoEとは、PPP(Point-to-Point Protocol)というコンピューター同士が1対1で通信を行うためのルールを、Ethernet(イーサネット)という通信規格を通して利用するための通信方式です。
主にADSLや光ファイバー接続で使われ、ユーザー認証やデータ転送の管理を行います。
プロバイダー(ISP)を介してインターネットに接続する為、夜間や休日など、アクセスするユーザが多い時間に回線速度が遅くなる場合があります。

IPoE
IPoEとは「IP over Ethernet」の略で、イーサネットネットワーク上でIPプロトコルを直接インターネットに接続する方式です。
IPoEは専用の通信機器が不要で、事業者側のネットワークと直接接続する仕組みになっており、ユーザIDやパスワードの認証が不要です。
主に光ファイバーやDSLなど、高速なインターネットの接続で用いられます。

IPv4 over IPv6
IPoEは回線速度が速く安定しておりますが、Webサイト側がIPv6に対応していないと閲覧することができないというデメリットもあります。
そこで「IPv4 over IPv6」というIPv4とIPv6をいずれも接続可能にする通信規格が誕生しました。
この「IPv4 over IPv6」によって、IPoEでは閲覧できなかったIPv4のWebサイトがIPv6の安定した通信環境で閲覧できるようになります。

IPv6への完全移行にはしばらく時間がかかるとはいえ、アドレスの枯渇問題により将来的にはIPv6への移行が必要不可欠です。
そこで、IPv4とIPv6の両方の環境を使えるようにする「IPv4 over IPv6」などの技術を利用することで、徐々に共存から移行の体制に整えることが可能になります。

5. 回線速度

「IPv6だから速い」という訳ではない
よくIPv4よりIPv6の方が速いと言われておりますが、厳密に言うとIPv6の通信速度が速いのではなく、PPPoEよりIPoEの方がインターネットへの接続が速い(回線が混みにくい)と言われていることから、IPv6方が速い場合が多いとされています。

PPPoE:従来の接続方式。通信速度は最大「1Gbps」
IPoE:最新の接続方式。通信速度は最大「10Gbps」
IPv4 over IPv6:最新の接続方式。通信速度は安定性の高いIPv6(IPoE)環境で、IPv4のみ対応のサイト閲覧が可能。
※通信速度はあくまで理論上の最大値

一般的な動画視聴、ビデオ会議、SNS等だけを行う家庭については、10Gのメリットを感じることはほぼありません。一方、巨大ファイルの送受は早くなりますが、そのためには高速ストレージとケーブル接続が必須です。

このように、普通にインターネットを利用するのにあまりIPv4やIPv6を意識する必要はありませんが、実際自分がどちらを使っているか調べたい場合は、下記計測サイトで確認できます。
https://inonius.net/speedtest/

6.まとめ

・IPv4アドレスは約43億個のアドレスを提供するのに対し、IPv6アドレスは約340澗(かん)個というほぼ無限のアドレスを提供する
・普通にインターネットを利用する分にはIPv4とIPv6を意識する必要はないが、IPv4のアドレス枯渇問題により、将来的にはIPv6への移行が推奨される
・一概にIPv6が良いという訳ではなく、接続方法やプロトコルにより効果が変わる
・IPv4とIPv6はそれぞれ対応したサイトのみ接続が可能な為、IPv6を利用してもIPv4のサイトが閲覧できない等、デメリットがある
・IPv4とIPv6は別々のインターネット空間に存在し、全く別のプロトコルな為、共存ができない
・IPv4 over IPv6という通信規格によって、IPv4とIPv6の共存が可能になる

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