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IP Intelligenceの歴史と海外事例

目次

IP Intelligenceの歴史

IP Intelligenceの発展は、インターネットサービスの歴史と切り離すことができません。
インターネットにおける利便性の向上と犯罪の防止と言う二つの相反する課題を解決するために、IP Intelligenceの技術は発展してきました。この技術は、いまや私たちの生活の一部となった様々なインターネットサービスで利用されています。

IP Intelligenceの歴史は1999年あたりから始まります。IPアドレスによる位置認識技術についての最初の特許は、2004年にアメリカで付与されました(http://news.cnet.com/2100-1032_3-5181810.html)。 Webサイトにアクセスしたユーザーの位置をIPアドレスによって判定し、物理的に近い場所の広告を表示させる技術をめぐって数年に渡る裁判が続いた結果の判決でした。
多くの広告主にとって、黎明期のインターネット広告は実用的なものではありませんでした。新聞・雑誌・TVCMなど、従来のマーケティングメディアと比較して、特定の地域に広告を配信する技術が確立されていなかったからです。地元だけに地域を限定して広告を配信したい場合でも、当時は配信地域を限定する術がなかったため、地理的な位置情報に基づいて広告を配信する技術は、まさに発明といえるものでした。

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広告と近しい分野として、インターネット上での動画配信におけるデジタル著作権管理問題があります。2002年のソルトレークオリンピックから、IPアドレスによる動画配信の地域制限が試験的に行われています。オリンピック配信で活用されたアクセス制御については後ほど詳しくご紹介いたします。

様々な分野での活用

マーケティング分野以外でも政府機関、法執行機関や企業のセキュリティチームは、犯人を見つけて、同じ場所からの将来の攻撃を防ぐために、オンライン攻撃のインターネット ルートを追跡、捜査するためのツールとして位置情報を使用しています。
アメリカでは、ネットバンキングをターゲットに不正引き出しやマネーロンダリングが横行した2005年末にFFIEC(米国の連邦金融機関検査協議会)がガイドラインを定めています。2要素認証、そして多要素認証技術の一つとして、「Internet Protocol Address(IPA) Location and Geo-Location」の導入を義務づけることによってセキュリティ強化をすすめることで、2006年から2007年のオンラインでの不正は30~40%減少したということです。

一方、日本国内での事例を見てみますと、2012年から2013年にかけての遠隔操作ウィルスによる誤認逮捕が記憶に新しいかと思います。「IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わったようなものだと思っていた。」という警察の認識は、IPアドレスをたどった捜査手法の問題点を浮き彫りにしました。サイバー犯罪に対する法制の整備と効果的な捜査手法の確立は、2013年の現在も審議されています。IPアドレスに紐づけられた位置情報の有用性は、時代を経るごとに増していますが、日本国内でのIP Intelligenceに対する認知は未だに低いといえるのではないでしょうか?

まとめ

  • IPアドレスによる位置地域認識技術は、生活利便性の向上に役立てられている。
  • 犯罪防止の面においては、正しい知識の普及と効果的な手法の確立が急がれている。

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