- ナレッジ
- その他
IPv4アドレス移転って?
IPアドレス移転とは
IPアドレス移転とは、組織に割り当てられたIPアドレスを別の組織に移転する制度のことです。IPv4アドレスの在庫枯渇問題の解決策の一つとして、IPv4アドレスの移転が注目されています。
IPv4アドレス移転は大きく2つに分類することができます。一つは、事業再編・事業譲渡などに伴うIPv4アドレス移転です。過去にIPアドレスの割り当てを受けた企業が、ISP事業を行う関連企業等、IPv4アドレスを必要とする企業へとIPv4アドレスを移転する場合があります。
もう1つは、事業譲渡等とは関係のないIPv4アドレス移転です。インターネット黎明期にIPv4アドレスの割り当てを受けたものの実際には利用していないという組織から、IPv4アドレスを必要とする組織にIPv4アドレスを移転する場合などが考えられます。
データセンター事業者、ISP事業者など、IPv4アドレス不足によって事業拡大や新規参入が困難になるビジネス分野では、IPv4アドレス移転が有力な選択肢となりつつあります。
日本国内におけるIPv4アドレス移転
2011年にIPv4アドレス空間の管理ポリシーの改訂により、JPNICはIPv4アドレス移転制度を施行しました。これにより、JPNICとIPアドレスの管理に関する契約を結んでいる組織の間で、IPv4アドレスの移転が可能になりました。
この時点では、移転が可能なのはJPNIC管理下のIPアドレスに限られていました。
2013年にはIPv4アドレス空間管理ポリシー等が改訂され、IPv4アドレス移転の対象範囲が拡張されました。JPNICに加え、APNIC・ARINとIPアドレス管理に関する契約を結んでいる組織間でもIPv4アドレス移転が可能になりました。
異なるRIR(地域インターネットレジストリ)間でのIPv4アドレス移転を「Inter-RIR IPv4アドレス移転」と呼びます。これについては、「Inter-RIR移転」で解説しています。