- IP Geolocation活用例
- 動画・ゲーム配信制御
オンラインゲームでの認証
オンラインゲーム(ネットゲーム)市場の拡大
2012年、日本国内におけるオンラインゲームの市場規模が家庭用ゲームの市場規模を上回ったことが話題を呼びました。全世界的にみても、ソーシャルゲーム市場の成長により、オンラインゲーム市場は拡大を続ける見込みです。
一方、市場の拡大によりさまざまな問題が表面化しました。より安全で快適にオンラインゲームを楽しめるよう、目に見えない所にIP Intelligence技術が使われています。
なりすまし・不正ログインの防止とIP Intelligence
一般的なID/パスワードによる認証は、認証情報の流出などによって容易に第三者の不正ログインを許してしまいます。アクセスした覚えがないのにゲーム内通貨や貴重なアイテムが無い、アカウントが削除されている…等、なりすましや不正ログインによる被害が顕在化し、現在ではさまざまな認証方式によって対策がなされています。
その中の一つが、IPアドレスをベースとした認証方式です。
ユーザの「普段のアクセス環境」をあらかじめ記録し、それと大きく異なる環境からのアクセスを「第三者によるなりすましの可能性が高い」と判断するというものです。
PCゲームであれば多くの場合ユーザは自宅からアクセスします。アクセス場所や利用プロバイダが頻繁に変わることは考えにくいため、「普段と違う位置、プロバイダからアクセスがあるのは怪しい」と考え、ログインの一時的な凍結や追加認証を行うという方法が考えられます。
地域ごとに異なる法律・ルールに対応する
国ごとに異なる法律にあわせてWebサイトやWebサービスを最適化するために、IP Geolocationが使われることもあります。
例えば、国ごとにゲーム内での表現規制の範囲や厳しさは異なります。法律を侵害する恐れのあるサービスについては該当国からのアクセスを制限する必要が生まれます。特定の国からのユーザはローカライズしたサービスのみ利用でき、他国向けのサービスにはアクセスできないようにするという方法が取られます。
また、刺激を求めるユーザが意図的に居住国・居住地域を偽って登録する場合を想定して、登録時に申請内容とIPアドレスの位置情報が一致するかを確認し、乖離している場合は登録を許可しないという使い方も考えられます。
より根深い問題として「RMT(Real Money Trade)」と呼ばれる、オンラインゲーム上のアイテムや通貨を現実の金銭によって取引する行為の制限があります。日本にはRMT行為それ自体を制限する法律はありませんが、オンラインゲーム先進国と呼ばれる韓国では、RMTを明確に禁止する法律が制定されています。一方、中国のようにRMTが「事業」の一つとして認められている国もあります。
これについても、各国のルールに応じたローカライズとアクセス制限が必要になります。
まとめ
- なりすまし・不正ログイン対策に、IPアドレスから分かる接続位置・環境情報が利用されている。
- 国ごとに異なる法律を遵守するために、IP Geolocation技術が使われる場合がある。