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IPv6の普及状況
1. IPv6の普及状況
長年にわたりインターネットの基盤となっていたIPv4が、近年のインターネットの普及により枯渇することが問題視されるようになりました。この問題により近年ではIPv6の普及が進み、現在国内ではIPv6の利用率が50%を超えたとの調査結果がありました。(2024年時点)
しかし、IPv6が普及しつつも、IPv4からIPv6へ移行するためのコストが高く、完全な移行には時間が必要であり、現在でもIPv4とIPv6が共存する状態が続いています。
2.地域別普及率
● 地域別普及率(※Googleの統計データ調べ 2024年8月時点)
Google では、インターネットでの IPv6 の採用に関する統計データを継続的に収集し公開しています。
https://www.google.com/intl/ja/ipv6/statistics.html
Googleの統計データによる地域別の普及率についてまとめてみました。
・北米
アメリカは51.46%、カナダは40.06%と、比較的IPv6の導入率が高いです。
・ヨーロッパ
地域差はありますが、比較的高い普及率を示しており、特にフランスやドイツはIPv6の導入率が70%を超えております。
・アジア
地域差はありますが、IPv6の導入率が50%を超えている地域が散見され、日本でも52.02%と、過半数を超えております。また、インドでは70%を超えており、高い数値を出しております。
・南米やアフリカ
これらの地域でのIPv6導入率は10%未満の箇所が多く、普及が比較的遅れております。
3. 国内のIPv6の利用状況
● IPv6の国内利用状況 (2024年7月)
当社では、どこどこJP上のIPv6利用率を収集しております。
2022年6月6日より、どこどこJPのJavaScript版を設置している800以上のWebサイトデータを元に、アクセスしたユーザのIPv6情報の収集を開始いたしました。
IPv6の利用状況分析の開始に関するお知らせ
https://www.docodoco.jp/uncategorized/1561/
● どこどこJP上の月別IPv6利用率(2022年6月~2024年7月)
2022年6月から2024年7月の間で、IPv4とIPv6の日ごとの利用率平均をグラフにしています。どこどこJPでリクエストを受けたIPアドレスをユニーク化し、IPv6およびIPv4の割合を使用率として算出しました。
集計結果
まだIPv4が高い状態にはありますが、IPv6も50%近い数値を出していることから近い未来、IPv6の利用率がv4を上回る事が想定されます。一時的ではございますが、2023年4月においてはIPv6の利用率がIPv4を上回る結果となりました。
4. Google調べとジオロケ調べについて比較
Google調べ:52.02%(※2024年8月時点/国内)
当社調べ:3. 国内のIPv6の利用状況 グラフ参照
IPv6の利用率について、当社の割合とGoogleの国内割合を比較してみると、当社と近い結果が出ております。国内のIPv6のユーザは概ね50%いると思われるでしょう。
5.IPv6の今後について
近年ではIoT(Internet of Things)という、あらゆるモノをインターネットに接続する技術が普及しており、さらに多くのデバイスがインターネットに接続され、IPv6の重要性が増しています。IPv6の広大なアドレス空間は、膨大な数のデバイスに対応するため、今後ますます必要とされるでしょう。
6.まとめ
・IPv6の利用率は、多い地域で70%以上、少ない地域では10%にも満たないという、地域によって普及率の差があります
・国内でのIPv6の利用率は約50%
・IPv6の普及率は着実に高まっており、今後の時代に必要不可欠なものになる
・IPv6は普及しつつもコストや技術面で問題があり、完全な移行には時間がかかる
・セミナーやイベントを実施する等、政府や法人はIPv6への移行を推進している