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  • IP Geolocation活用例
  • ジオターゲティング

Wi-Fiを活用したジオターゲティング広告について

目次

はじめに

ジオターゲティング広告は、特定の位置情報に基づいて、ターゲットユーザーに広告を配信するマーケティング手法です。位置情報の特定には、GPS、IPアドレス、Bluetoothビーコン、Wi-Fiの接続情報などを利用します。

Wi-Fiを利用したジオターゲティング広告では、Wi-Fiアクセスポイント(Wi-Fiの電波を送受信する機器)を利用してユーザーのデバイスから位置情報を取得し、そのデータをもとに広告を配信します。以下では、Wi-Fiを利用したジオターゲティング広告の仕組みや、位置情報判定のメリット/デメリットについて詳しく解説します。

Wi-Fiの活用によるジオターゲティング広告の仕組み

Wi-Fiを活用したジオターゲティング広告は、以下のような仕組みで行われます。

1.Wi-Fiアクセスポイントの検出
デバイスが周囲のWi-Fiネットワークをスキャンし、接続可能なアクセスポイントを検出します。

2.信号強度の測定
各アクセスポイントからの信号強度(RSSI)を測定します。

3.位置の推定
1,2で取得した周囲のアクセスポイントとの電波状況と、位置情報データベースから取得したアクセスポイントの位置情報をもとに、三角測量などの手法でデバイスの位置を推定します。

4. 広告の配信
Wi-Fi接続時や、接続後に利用するアプリやウェブサイトに広告が配信されます。この広告では、ユーザーの位置情報に関連する商品やサービスの内容を表示します。

Wi-Fiネットワークでの位置情報判定のメリット

Wi-Fiネットワークを使って位置情報判定を行うと、以下のようなメリットがあります。

1.広範囲のカバー
Wi-Fiネットワークは、オフィスビル、ショッピングモール、空港などの広範囲にわたって設置されています。このため、Wi-Fiを利用した位置情報判定は、広範囲でのユーザー位置追跡が可能です。特に、都市部や商業施設内での位置特定には適しています。

2.コスト効率
Wi-Fiネットワークは既存のインフラを利用するため、追加のデバイス設置が不要です。そのため、導入コストが低く、運用コストも抑えられます。また、多くのデバイスがWi-Fi機能を標準装備しているため、Bluetoothビーコンと比べ、専用アプリのインストールが不要な点がメリットとなります。

Wi-Fiネットワークでの位置情報判定のデメリット

一方、デメリットは以下の点があげられます。

1.位置情報の精度の限界
Wi-Fiを利用した位置情報判定は、信号強度(RSSI)を基に推定するため、精度が他の技術と比較して低いことがあります。特に、同じフロアや隣接する部屋での位置特定には限界があり、50m~100m程度の誤差が発生することがあります。

2.ユーザー同意の必要性
Wi-Fiネットワークを利用した位置情報判定には、ユーザーのデバイスがネットワークに接続されることが前提です。また、プライバシーの観点から、ユーザーの同意を得る必要がある場合があります。

固定のWi-Fiルーター/モバイルWi-Fiルーター(移動体)/ホームルーターでの違い

固定のWi-Fiルーター/モバイルWi-Fiルーター(移動体)/ホームルーターから取得する位置情報では、以下のような違いがあります。

・固定のWi-Fiルーター
固定のWi-Fiルーターは、特定の場所に設置されており、その場所における位置情報サービスの基盤となります。固定ルーターは、設置場所が変わらないため、位置情報の基準点として安定したデータを提供できます。

・モバイルWi-Fiルーター(移動体)
モバイルWi-Fiルーターは持ち運び可能なデバイスであり、ユーザーが移動する際に使用されます。このため、モバイルWi-Fiルーターを利用した位置情報判定は、デバイスが移動することを前提としています。位置情報の精度は、周囲のWi-Fiアクセスポイントの分布や環境に依存するため、固定ルーターと比べて一貫性に欠けることがあります。しかし、ユーザーの移動パターンを分析する際には有用です。

・home 5G 、auスマートポート、SoftBank Air 等のホームルーター
ホームルーターはインターネット接続に移動体の回線(例えば4Gや5G)を利用しますが、設置場所は固定されていることを前提としています。そのため、契約時に登録した特定の住所でのみ使用が認められており、この固定された位置により、安定した位置情報データを提供できる場合が多くなります。

まとめ

  • Wi-Fiを活用したジオターゲティング広告は、デバイスが周囲のWi-Fiアクセスポイントを検出し、信号強度を測定して位置を推定し、その位置情報をもとに広告を配信する。
  • Wi-Fiネットワークで位置情報判定を行うと、専用のアプリをインストールすることなく、主に都市部や商業施設内で広範囲に位置判定が可能。しかし、ネットワークに接続されることが前提のため、位置情報の精度に限界があり、ユーザーの同意が必要な場合がある。
  • 固定のWi-Fiルーター、ホームルーターは安定した位置情報を提供できる場合が多いが、モバイルWi-Fiルーターはユーザーの移動に対応して位置情報を提供するため、精度が安定しない場合がある。

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